コロナ禍につくった最初の庭。
壁を立てたり明確な境界は設けず、舗装の素材と植栽の色見、配置で曖昧な境い目を描く。
電柱の佇まい、広い歩道も庭の延長として取り込んでいて、
「閉塞的なプライベートな庭」ではなく「開放的な公園みたいな庭」を考えた。
街とつながる。人とつながる。
ソーシャルディスタンスが求められた時代に生まれたソーシャルな庭。
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開放的な庭が成立したのは、いくつかの条件が重なったからです。
見通しがよく開けた通りに接していて、周辺は小学校やクリニック、お寺、駐車場があり、閑静な住宅地ながら人の気配のあるエリアであること。
それから、庭となる敷地はもともと分譲地として空いていた土地を取得。そのため、将来建つであろう隣家のことを見据えてプライバシーを保護された建築であったということ。
本来ならもう少し郊外や農村・山村地域で実現しやすいタイプの庭ですが、こうした立地や条件が整ったことで、街中でも開放的な庭がかたちになりました。
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植栽の配置、インターロッキング、芝、砂利、コンクリートを使って、歩道とのゆるい境界を設定。
断ち切られていた家と庭の関係を繋ぐため、小さな物置小屋をつくって、動線を確保。
これから先、増築やリガーデンしやすいように自由度が高く、シンプルな設計としました。
前橋市 N邸 外構植栽計画
デザイン・設計:境野隆祐(AYANAS)
所在地:群馬県前橋市
カテゴリ:個人邸
施工:花画廊、AYANAS
工期:2020年
撮影:久保木雄(うさぎとカメラ)